A コース「切りひらいて、とめて、それから…」−行為と表現について考える−  




「切りひらいて、とめて、それから…」 −行為と表現について考える−

A コース(オンライン+対面) 教室:竹の子ルーム 担当 堀井武彦
「切りひらいて、とめて、それから…」 −行為と表現について考える−

1「行為」から始める
図画工作科の教科目標(1)に「対象や事象を捉える造形的な視点について自分の感覚や行為を通して
理解するとともに〜(略)」とあります。その「行為」の具体を提案します。
<行為1>
切りひらく
・りんごの皮むきのイメージで、紙コップを約1cmの幅(小指の幅)で
切りひらきます。途中で切れたらホッチキスでつなぎます。
※発展バージョンとして紙皿も同様に切りひらくことも試してみましょう!
考察 行為1を大量に集めると図2のように造形的な興味をかき立てますが、
このまま題材とするには課題が多いと考え<行為2>の設定にしました。
<行為2>
とめる(とじる)
・厚紙(B6 版大程度)に行為1をホッチキスで止めていく。
【条件】
・厚紙からはみ出さない様に表だけにとめる(後に裏面も可とする)。
・紙を浮き上がらせないように折ったり、ひねったり、重ねたりして
とめる。※図3〜6参照

考察 「行為」になぜ、条件をつけるのか?と疑問を持たれると思います。それ
は、条件をつけずに実践した際、図7の様な展開に収斂する傾向が多くみら
れたからです。他にも「迷路」という発想も多くありました。「ジェットコ
ースター」や「迷路」の発想を否定しているのではなく、材料特性や状況
により発想展開の類型化を誘因する現象への対処療法としての修正でした。
教材としての「最適性」を考える視点の示唆と捉えました。
2「行為」から「表現」への分岐点は?
この命題は言うまでもなく大人(教師)の問題意識です。子どもが意
識することはありません。であるからこそ、教師は子どもの活動を見と
る視点として意識する必要があるとも考えられます。図8を「かべのデ
ザインです!」と嬉々とした表情で作者は見せに来ました。とても興味
深い報告でした。白い台紙の上に細く切り開いた紙皿を縦横にホッチキ
オンライン参加の皆様の準備(可能な範囲で)
【用具】・はさみ ・ホッチキス(針は 200 本位あると安心) ・描画材(色鉛筆、マーカー類)
【材料】・紙コップ 3 個 ・紙皿(直径 10 cm程度3枚) ・厚紙 B5 版大3枚(厚さ目安:工作用紙程度)
(

図 1

図 2

図 3
紙コップの底からとめ
始めている。

図 4
規則的な折り返しで形にリ
ズムを生み出している。

図 5
線の折り返し、交差を全体的
に自由網羅させている。

図 6
紙皿も加えて違った線の特
徴を活かして構成している。

図 7「ジェットコースター」

図 8 三角形の台紙での展開

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